アッシュビルプロジェクト

昨日、テレビで「アッシュビルプロジェクト」を紹介していた。
これは米国ノースカロライナのアッシュビルで10年前から行われている健康管理プログラムで、市の職員に薬剤師によるカウンセリングを義務づけて医療費の支出を6割も減らしたと言う。
薬剤師は医師と連携をとりながら職員の健康状態を改善させるクスリを出し、その費用を市が負担する仕掛けだ。クスリ代を負担しても、病気になって治療を受けるより支出が少ないので、全体として医療費の大幅な削減が可能になったと言うことである。
まさに予防医学の効果であるが、このようにいちいち医者にかからず自分でクスリを飲んで治してしまう医療のことを「セルフメディケーション」と言う。

われわれも家庭に「薬箱」を置いて、風邪薬や傷薬を常備しているが、セルフメディケーションはあれの規模を大きくしたようなものだ。
決定的に違うのは、定期的に薬剤師にカウンセリングを受けながら「治療」することで、古くなった薬剤や使い残した処方薬を使い続けたり、不衛生な管理がなされていたりするリスクはきちんと排除されている。

このプロジェクトは商標登録され、各地で「アッシュビルプロジェクト」として実践されているのが米国らしくて面白い。日本でもこのような取組みをやったらいいのにと思うが、薬剤師が医療行為をおこなうことに抵抗する人たちが多く、簡単には行かないようだ。
だが、医療費の削減は国家的急務であり、米国の先例をよく研究すれば決して無理な話ではないと思う。
要は、政治のやる気だろう。
それまでは、当倶楽部のような取組みで予防医学を実践するしかない。

ひとつ気になるのは、現在の医療常識の中には間違ったものが多いのに、それが無批判に適用される恐れがあることだ。
血圧が高いとすぐに降圧剤を処方され、血糖値が高いと血糖降下薬を飲まされるのでは根本原因の除去につながらない。コレステロール値が高い場合も同様で、高脂血症薬にたより卵や肉を排除する指導がなされるならかえって有害である。
セルフメディケーションには落とし穴が開いているかもしれないことを忘れてはならない。

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